2024年12月のインタビュー
丸山夏実さん(2023年4月入隊)
所属:木祖村役場 産業振興課 農政係 任務:遊休農地活用と農作物ブランディング

木祖村の協力隊を選んだ理由は?
純粋科学より応用科学の方があっちこっち手を出せそうだなとそんな理由で大学ではagibiologyを選びはしましたが、この頃から農業者になろうと思っていたわけではなく。どちらかというと数学や物理が好きなタイプでした。
ですが、農業農村工学の講義や聴講した民俗学、農村社会学をきっかけに郷土と生業ってなんだろうと考え始めると農業には食糧生産にとどまらない魅力があることに気づきました。農村では農業という生業が文化、信仰、言葉‥平たくいえば脈々と受け継がれるアイデンティティを形作ってきた。新興住宅地で育った私には故郷という存在がとても羨ましく思えました。
それが中山間地という資本主義上の条件不利から農業が衰退するとともにあちこちの共同体で消え始めていると知るや、それなら私が山の中でも農業をやったろじゃないかいって。最初は大規模な農業法人に勤めていたのですが、暮らしと結びついた生業として農業ができるのはここではないと思って独立する場所を探していたところ、木祖村の募集が。その後、かねてより藤村の著作で好きだった木曽、ミッションは遊休農地の有効活用。数度足を運んでみてここだと決めました。
実際に着任してみていかがですか?
仕事は概ね楽しくやっていますが、行政のシステムや人付き合いには慣れがいるかも。移住者という話題でメディアが取り沙汰するような排斥はなく、それはひとまず安心しました。
それでも外から農業をするといってやってきた人間には皆さん何かしら興味があるのか、意外とこちらのやることなすこと見られている、知られているな、というのに驚きましたね。最初はそれを気に病んでいましたが、別に悪意はないんです。一生懸命農業をしている限り、村民の皆さんは仲良くしたいと思ったり、なにか助けられることはないかと言い方は悪いですが観察している。そして助けを求めたらできる限りのことをしてくれる。この繋がりは村の人同士にも普通に存在して、お互いをなんとなく気にしているのは普通のこと。気がつくまでは大変でした。
任期終了後はどうする予定ですか?
ひとまず個人事業での就農を考えています。農業法人を立ち上げる、それも私が目標にしている集落営農的な‥公益的な法人となると住民の方との話し合いなんかで任期中では時間が足りないのが正直なところです。
収益の柱となるスイートコーンを軸に、遊休農地を粗放的に広く利用できる作目や緑肥、それに加えて手間が掛かるからこそ一人ではできない、誰かと作業するという村民の方とのコミュニケーションに繋がるナスなんかの果菜を組み合わせながら、人を少しづつ雇い、規模を広げていきたいと考えています。農業を通じて、農村の有機的な人と人との繋がりを維持するお手伝いというか。冬には村伝統の漬物を作ったり、木祖村の歳時を楽しみながらできたら理想ですね。並行して、今後着任する協力隊の皆さんや、地域の農業者の方々と協力しながら集団化を進めていくつもりです。



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